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自転車のネジの取り扱い方

自転車を整備する上で避けて通れないのが、ネジの取り扱いです。整備の基本ですが、正しい手順を知らないとネジやパーツをだめにする可能性が高まります。

アーレンキーの使い方

アーレンキー(六角レンチ)は、自転車整備に欠かせない工具です。自転車を整備される場合は、2mm~8mmまでそろったセット販売の物が便利です。また、出先でのトラブル対応には携帯工具が便利ですが、自宅での本格的な整備をされる場合は携帯工具を使うのは避けてください。十分な締め付けトルクを得るのが難しいです。また、激安工具の類はネジを痛めてパーツをだめにする可能性がありますので利用を避けてください。

よく使うサイズ

よく使うアーレンキーのサイズ

よく使うアーレンキーのサイズ

  • 8mmは主に3ピースタイプのクランク固定ボルトに用います。最近の2ピースタイプ(ホローテック2など)でこのサイズを必要とするものは少ないです。
  • 6mmは主に一本締めタイプのサドル固定ボルト、一部のステム固定ボルトに用います。
  • 5mm、4mmは様々な自転車パーツの取り付けに用いられます。

一般的には、これらのサイズがあれば十分です。しかし、一部パーツは固定用として10mm、調整用として1.5mm~3mmが必要な場合があります。

締め方

しっかり締める場合は、アーレンキーをボルトの穴に真っ直ぐ奥まで差し込んでください。

正しい状態

正しい状態

下のように斜めになったまま力を掛けると、ボルトをなめる(ねじ締めることが困難になる)可能性が高くなります。絶対にしないでください。

よくない例

よくない例

また、下の図のようなゆるみ止めが塗られていないネジは、必ずグリスを塗ってから締めてください。塗らないとネジやネジ山を破損したり、締め付けトルクが不安定になり緩みやすくなる(グリスを塗ったほうがしっかり固定できます)などの問題が生じます。

青い部分がゆるみ止め

青い部分がゆるみ止め

締め付けトルクについて

ネジでパーツ同士をつなげる場合、メーカーが「ネジはこのくらいの力で締めてください」という基準を設けています。これを締め付けトルクと呼びます。これより弱く締め付けられていると緩み、強すぎるとパーツやネジを破損することがあります。詳しくは「カーボン製品の取り扱い」を参照してください。正しい締め付けトルクで固定するための測定器として、トルクレンチと呼ばれる工具があります。

トルクレンチ(左:大トルク用、右:自転車用)

トルクレンチ(左:大トルク用、右:自転車用)

トルクレンチが無い場合の目安としては、たとえば10N・mという締め付けトルクは長さが1mあるアーレンキーの先端に約1.0kgの重りをつるした状態に等しいです(長さ50cmなら約2.0kg、25cmなら約3.9kgになります)。もちろんネジにグリスが塗られていなければこれらの数字の意味がなくなりますので注意してください。

なぜ締めすぎてはいけないか

「強く締め付けたほうがしっかり固定できる」といってむやみにネジを締め付ける方がいますが、ネジは締めすぎると、むしろ正しい固定力を得ることが難しくなり、パーツやネジの破損の原因にもなります。

ネジは頭の部分がパーツにしっかり密着することで、ネジ山とネジ穴が十分に密着して固定されます。締め付けが弱ければもちろんすぐ緩みますが、あまりに強すぎるとネジ自体が変形し、固定力が大幅に下がってしまいます。

そこで、ネジを緩みにくくするには、過剰に締め付けるのではなく、

  • 調整ネジや、弱い素材を固定するには緩み止めを塗る。
  • 通常の固定ネジにはグリスを塗る。
  • 設計通りのトルクで締め付ける。

ことが重要です。経験豊富な方以外は、カーボンパーツなどのデリケートな素材の取り付けにはトルクレンチなどの測定器を使うことをお勧めします。

このあたりの話は、「軸力」という考え方が重要です。詳しくはこちら(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AD%E3%81%98%E7%B7%A0%E4%BB%98%E3%81%91%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%96%B9%E6%B3%95)を参照してください。

+ドライバーの使い方

plusdriver

強い力で締めるのにコツがいるので、自転車ではもっぱら調整ネジや力のかからない場所に用いられます。

サイズについて
+ドライバーにはサイズがあります。自転車用には2番が一番使いやすいでしょう。一部の調整ネジには1番の方がより適しています。

締め方
+ドライバーは、ただ回すだけではドライバーが浮き上がり、ネジをなめてだめにしやすいので、ネジの頭にドライバーをしっかり押し付けながら締めてください。調整ネジのような力のかからない部分でも同じです。

+ネジの扱い

+ネジの扱い

ネジが固着していたとき

長い間触らなかったネジや、組み立て時十分にグリスが塗られていなかったネジは、雨などによって錆び、回らなくなってしまうことがあります。これを固着といい、無理に回そうそしてもうまくいきません。

外し方
ラスペネなどの浸透潤滑油を多めに吹きかけて、30分~一日置きます。そして緩めるとき、ネジに軽く衝撃を与えます。すると軽い固着なら回るようになります。無理をするとネジやパーツを破損しやすいので、うまく外れなかったり自信が無い部分があれば、無理をせずにショップに取り外しを依頼してください。

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